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スポーツ刈り。

子どもの時の髪型って言うのは
ほぼ100パーセント親の好みで決められるわけでして。
当家の場合は父の方針でスポーツ刈り一択でした。

…よく考えたら「スポーツ刈り」って名称は一般的なんですかね?
まあ、簡単に言ってしまえば丸刈りなんですが

特徴的なのが頭のサイドにアディダスやプーマ、ナイキなど
スポーツ用品メーカーのロゴマークを刈り込むことをスポーツ刈りと言うのですよ。

ちなみに有名メーカーの正規ロゴマークは使用料が高いので
下町の床屋ではアディダスお馴染みの三枚の葉っぱがよく見ると扇になっている「アジディス」
「asics(アシックス)」ではなく「asiksa」(アシックサ)
プーマの下に描かれているのがチータではなくて本当にピューマだったりする等
バッタ物の刈込が流行り、社会問題になりました。

うん。まあ、それはウソ。

スポーツ刈りって言うのはスポーツ少年、特に野球少年がしているような丸刈りのことを言う訳ですよ。

味もそっけもない髪形ですが手入れが楽なのと
床屋さんに言った翌日は坊主フェチのI谷さんが頭を触りに来てくれると言う利点があったのよ。

ただ、いじめっ子のO久保くんに発見されると乱暴にいじくりまわされるので
これからスポーツ刈りにしようと思っている人は床屋に行った直後は
彼のそばに近づかないよう、また決して後ろを取られないように気を付けてください。

つか話が横にそれまくっていますが
要は子供のころ私が床屋に行く→スポーツ刈りにされる。だったのですよ。

ただ自我が形成されるとともにそれに疑問が生じてくるものでして
私が小学五年生になった時に後の世にいう「(床屋に行く行かないの)七日間戦争」が起こる訳ですよ。

これは皆さんご存知のように私の父の
「風呂に入ってもカラスの行水でちゃんと頭を洗うか分からないからダメ!イヤなら小遣いもやらん!」の一言で
我が軍の完全降伏で幕を閉じたわけでございますが

それから4年経ち私が中学校3年生。
もうすぐ修学旅行という時に再び火種が燃え上がる訳ですよ!

中学3年生、15歳と言えばそろそろ色気づいてきて
オサレなんぞに目覚める年ごろなわけじゃないですか。

しかし私は寝っぱなしだったのよね。
三年寝太郎は寝たように見えながらも村の干ばつをどうしようかと考え続けていたわけですが
私は私でフリーザつええええええだの、ギニュー特戦隊の強さの順番を考えるのに忙しくて
オサレ心が目覚める兆しも見えなかったのですよ。

これを心配したのか、我が父上。
私の髪が伸びてきたある日、床屋の代金を渡しながらこう仰った。

「そろそろお前もスポーツ刈りじゃなくて
床屋で『髪を伸ばしたいからおかしくないように切ってください』って切ってもらってきたらどうだ?」

まさかの無血革命ですよ。
私としてもオサレ心は眠りっぱなしだったものの
さすがに野球部員でもないのにスポーツ刈りだったのが嫌だったので当然のごとく条約締結ですよ。
ここに約五年(休止期間4年11ヶ月3週間)に渡る父子の「スポーツ刈り戦争」に幕が下りたのですよ!



ところがどっこい。
私が行きつけの「バーバーウサミ」に意気揚々と駆けつけ
「髪を伸ばしたい云々」と言ったところウサミの大将が「君にはまだ早い!」って言うじゃないですか!

まさかのラスボス登場ですよ!
バラモスを倒したと思ったらゾーマがいたドラクエⅢ並みの衝撃ですよ!

いやいやいや、父と歴史的和解を果たしたからにはここで負けるわけにはいかないと
「でも…ゴニョゴニョ…」と弱弱しく反論を試みるも
強面でとおっている大将の迫力の前にみるみる劣勢に。

しかし見かねた大将の奥さんの「中学3年生にもなったら色々な髪形を試してみたいよねー」等の援護によって
どうにか大将も渋々許してくれたので晴れて私はスポーツ刈りから卒業と相成ったのです。

ただ、その後大人になっても私のオサレ心は目覚めることはなく
未だにヘアワックス売り場でハードだのウェットだのクールだのルーズだの
エアだのワイルドだのスパイキーだの種類の豊富さに頭から大きい?を出した末に
何となく雰囲気でしたい髪型もなく適当に買っている有様なので
きっと今バーバーウサミに行っても大将は私をスポーツ刈りにするんだろうなぁ、と思う。

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まとめ【スポーツ刈り。】

子どもの時の髪型って言うのは ほぼ100パーセント親の好みで決められるわけでして。 当家の場合は父の
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